台風による被害により、雨風を受け、家屋が破損・崩壊したり、河川の氾濫や土砂崩れなどの二次災害を引き起こしたり、時には多くの犠牲者を出すこともあります。
あまり台風による被害への意識や危機感が低い人も多くいらっしゃるかと思うので、今回はそんな自然が引き起こす天候による災害、台風について詳しく調べてまとめてみました。
ぜひ最後までご覧になって、台風への知識を深め、いざという時のために対策や避難などのシュミレーションをするなど、活かして頂ければ幸いです。
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台風とは
台風とは、熱帯低気圧のうち北西太平洋または南シナ海に存在し、かつ低気圧域内の最大風速が17.2m/s以上にまで発達したものを指す呼称です。
台風が発生する仕組みは、気圧の高い周囲から気圧の低い方へと空気や風が流れこみ、特に熱帯の海上では、太陽のエネルギーを多く受けるため、海面の温度が上昇しやすく、強い上昇気流を伴う低気圧が生まれます。
さらに、こうした地域は水蒸気の量が多いため、上昇気流により生まれた雲は巨大化し、激しい雨を降らせ、これを熱帯低気圧と言います。
そしてさらにこの熱帯低気圧が育ち、巨大化したものが台風となるのです。
そのほとんどが強い雨風による気象災害を引き起こし、上空から見下ろすと反時計回りの積乱雲の渦となっています。
また台風は地球の自転の影響で北~北西へ向かう性質があります。
台風の「号」というのは、気象庁では毎年1月1日以降、最も早く発生した台風を第1号とし、それ以降からは発生順に番号をつけて呼んでいます。
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台風の影響による被害
台風による被害としてもたらされる災害はとても幅広く、大雨・洪水・暴風・高波・高潮などの影響によって、川の氾濫や土石流、土砂崩れや崖崩れ、地滑りなどの大きな二次災害を引き起こし、人々の生活や命を危険に晒すこともあります。
ここでは台風の影響による災害のメカニズムと被害をいくつか紹介していきます。
大雨
台風による豪雨の被害は都市型の水害とも言われる「内水氾濫」と河川の氾濫による「河川洪水」とがあります。
まず内水氾濫は、堤防で守られた地域の水「内水」が溢れる洪水による被害を言います。
原因は主に二つあり、大雨が降った時に用水路や下水道の排水能力を超えたり、河川の本流の増水で支流の中小河川から合流できない水が逆流したりすることで発生します。
都市部で発生しやすく、川や用水路から溢れ出すだけではなく、マンホールが水によって押し上げられたりとかなり危険です。
河川降水は、川から水が溢れて氾濫することを洪水と言い、特にその被害の中でも堤防の決壊は危険です。
一度堤防が壊れてしまうと、食い止められていた水が一気に流れ出し、その激流で家や人を押し流してしまうこともあるからです。
川の水が堤防を超えて溢れた場合はさらに危険で、堤防はいつ決壊してもおかしくないので、その場合は速やかに堤防から離れなければいけません。
暴風
台風が発生すると、おおよその精力を示す目安として、10分間の平均の風速による気象庁が区分した台風の大きさと強さがあります。
大きさというのは、強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、強さというのは、最大風速で表されます。
また風速25m/s以上の風が吹いているか、または吹く可能性がある範囲のことを暴風域と呼びます。
傘などを持っていても風によって壊れたり、飛ばされてしまい、怪我の恐れがあったり、強い風だと外に置いてある看板や屋根などの家屋の一部が飛んでくる可能性もあるため、暴風警報や台風の影響による気象情報を必ず確認し、風の強さによっては外出を控え、安全な屋内に避難するようにしましょう。
高潮
高潮というのは、強い低気圧により波が高くなると同時に海面の水位も上昇する現象のことを指します。
高潮が発生する原因は、大気圧の低下に伴い、海面が吸い上げられるように上昇する「吸い上げ」という現象です。
またもう一つの原因として、湾口から湾奥に向けて強風が吹き続けることによって、湾の奥に海水が吹き寄せられて海水面が上昇する「吹き寄せ」という現象です。
この高潮による被害はさまざまで、浸水による家屋や交通機関への被害、水道や電力などライフラインへの被害、また溺死や漂流物による怪我などの人的被害も引き起こされます。
土砂災害
土砂災害は地震や台風などの大雨の影響で突発的に多大な被害を引き起こします。
傾斜の多い山付近では、台風・大雨・地震による土砂災害が発生しやすく、注意や警戒が必要です。
土砂災害には、斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震などで緩み、突然崩れ落ちる崖崩れや、斜面が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面の下方向にずれ落ちる地滑り、また土砂が長雨や集中豪雨によって一気に下流へと押し流される現象を土石流などがあります。
土砂災害が起こりやすいのは、主に地中にたくさんの雨が溜まって浸透し、そこにさらに強い雨が降ると発生しやすいと言われています。
土砂災害による被害は、その土地の地形や規模にもよってさまざまで家屋の破壊や交通被害、また人の命を奪ったり行方不明者を出したりします。
台風による災害への対策
台風による災害はいくつかありますが、それぞれに対する対策や備え、実際に被害に遭った場合の対応などについてまとめました。
大雨
大雨は、天気の急変などに備え、常に情報を収集して、天気の急な変化にいち早く気づいて対応することが大切です。
また河川や用水路から離れ、安全な高台に避難してください。
増水した河川からは必ず離れて避難するようにしましょう。
川の氾濫を見に行ったり撮影をしに行った人が、氾濫に巻き込まれて亡くなるというケースもあります。
氾濫している川は普段の流れとは違い、流れもとても早くなっており、河川の水位も短時間で上昇したりと、とても危険です。
また大雨で河川や用水路の水位が上昇すると、道路と河川の境界がわからなくなることもあり、側溝の蓋が外れていることに気づかず、そのまま流されるという事故も発生しています。
きちんと周りや天気の変化に気を配り、大雨の警報や注意報がでている時に河川へ近づかないようにし、安全な高台に避難するようにしましょう。
暴風
暴風警報が出ている時は、極力安全な建物の中へ避難するようにしてください。
外出先で強い風に見舞われた際は、たとえ雨が降っていても傘は折れたり飛ばされて怪我をする可能性があるので刺さないようにしましょう。
周りに飛ばされやすいものなどがある場合も、危険なのでその場から離れ、1番近くにある丈夫な建物の中に一時避難してください。
その都度、気象庁からの情報をチェックし、警報などが出ている間は極力屋内で待機するようにしましょう。
台風が近づいてきている場合は、事前に家の周りの飛ばされやすいものや飛んでいくと危険なものなどを安全な場所に移動させるようにするといいでしょう。
特に高い位置に置いてあるものや倒れやすく不安定なもの、またマンションなどの高い窓の周辺に置いてあるもの(例えば植木鉢など)落下したら危険なものは家の中にいれておくようにしてください。
高潮
高潮による被害はさまざまなので、日頃からまず多くの可能性を考慮し、備えておくことが大切です。
まず自身の住む地域の過去の災害や浸水被害が発生した場合の予想される状況についてなど、家族で話し合い、シュミレーションしておくようにしましょう。
安全な高台など、避難場所や避難経路について話し合い、またライフラインが滞った時のために、非常持出品の用意をしておくことも重要です。
改めて自分たちの住む地域の地形や高潮ハザードマップなどを確認し、いざという時のために備えるようにしておきましょう。
土砂災害
土砂災害も事前に自分たちの住んでいる地域の地形や発生しやすい場所などをあらかじめ把握しておくことがとても重要です。
さらに大雨や集中豪雨、地震などが引き金となることが多いため、傾斜が急な山などが近くにある場合はその状況によっては細心の注意が必要です。
土砂災害の起こる前兆としては、地鳴りや地面の亀裂、樹木の傾きや、川の水が濁って流木が混ざっていたりなど、さまざまです。
こうした前兆に気付いた場合は、すぐに周りの人にも伝えて即座にその場から避難するようにしてください。
また家族でも、避難経路や避難場所などの話し合いとシュミレーションを行い、いざという時のための非常持出品の準備もして置くことが大切です。
非常持出品の準備がまだな方は、こちらもチェックしてみてください↓
まとめ
以上、台風による被害とその対策について調べてまとめてみました。
被害が起きる前にきちんと自分たちの住む地域の地形や起こりやすい災害などをイメージしておくと、実際に災害が起きた時もスムーズに行動しやすいと思います。
家族でまずは避難場所や避難経路について話し合い、シュミレーションしておくことで、日頃から防災への意識を高めておくことがとても重要だと思いました。
自然災害はとても大きな脅威として、私たちの日常と常に隣り合わせにあります。
そのことを意識して、あらかじめできる対策はきちんと備えておくようにしましょう。
地域の人と過去にあった災害などについて調べ、対策や連携について話し合っておくことも大切ですね。
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